ユルゲン・ベイは、ダッチデザインブームの火付け役となった
droog designの立ち上げ時から活躍するデザイナー。同ブランドをはじめ、ロイヤル・ティヒラー・マッカムなどの作品で日本では知られています。
私も実は、一昨年このユルゲン・ベイのスタジオにお邪魔しました。(詳しくはML181号をごらんください)
深澤直人さんについてはいわずもがな。
私も編集に携わらせていただきました、
最新書籍、
THE OUTLINE 見えていない輪郭
も大好評発売中です。
そんな2大巨匠の対談が、
プレムセラ・ダッチデザイン・アンド・ファッション協会と21_21 DESIGN SIGHTの共同企画で実現したのです。
さてさて対談の内容にはいります。
デザインの価値とは?
ベイ氏は、以前にインタビューさせていただいた際にもお話して下さいましたが、常に
「経済的価値」とは別の物差しの「価値」がデザインには必要だと考えていらっしゃるようです。
確かに、オランダのデザインは総じて非常に作家性が強く、プロダクトデザインでありながら、それらの多くは自らのスタジオで制作され、アートピースのごとく生み出されていきます。
ダッチデザインの特徴のひとつに、
「Author design」
があります。作家性や、工芸、手仕事を大切にして,経済の論理(大量生産や均質化)に対してアプローチしているのがダッチデザインです。
一方で深澤直人さんは…というと
携帯や加湿器、照明など、誰もが一度は見たことのある、大量生産品を数多くデザインしています。
しかし日本人の多くは、後者である深澤さんのような仕事を
「デザイナー」
とイメージして、
前者のベイ氏のような仕事は、
「アーティスト」
と呼ぶのでしょう。
アプローチは違えど、2人は世界のデザインを牽引する存在です。
どちらがいいか、
という話では当然なく、さまざまな価値が存在してこそ豊かさがあるのだと思います。
2人に共通するところに、ひとつ
「グローカル」と最近では言われることがあるのかな、と対談を聞いて感想を持ちました。
世界を考えながら、自分たちのホーム(地域)で活動していくこと。逆もしかりですが、身の回りにある小さな問題や出来事は、結局世界と繋がっている普遍的なものだとする考え方で、グローバル化とは逆?というか別ベクトルの概念です。
なんだか話に収集がつかなくなりつつありますが、
内容はとてもエキサイティングでした。
この模様は近日上記プレムセラのHPで動画公開されるそうです。
21_21にて絶賛開催中の
THE OUTLINE 見えていない輪郭展にもぜひぜひお運びください。