今年の4月のミラノ・サローネ。家具の見本市と同時に、一年おきにクッチーナ(キッチン)とルーチェ(照明)の展示が行われるが、今年はルーチェの年だった。
デザイナーが、さまざまなブランドとコラボレーションして新しい照明を発表する。だが、今年のルーチェは、今までと違った。
照明は世界の電力消費の19%を占めると言われている。ヨーロッパやオーストラリアでは、白熱級の使用も制限されつつある。そのため、サローネのユーロ・ルーチェでも、地球温暖化問題に対応する、蛍光灯やLEDを光源とする新しい照明が主流を占めた。
白熱球に比べると、蛍光灯やLEDは消費電力が少なく、長寿命なだけでなく、発熱しないという特徴がある。そのため、光源を内蔵したデザインが可能だ。深澤直人さんデザインのパナソニックの「モディファイ」シリーズも、蛍光灯の進化によって生まれた。
光源が変わることで、可能になったデザインは多い。
表参道のイルミネーションの復活も、LEDの使用で木の負担が少なくなったこともを理由のひとつだそうだ。
東京の12月の夜は、一年中で最も明るい。