木造2階建て、昭和の情緒たっぷりの町家の前に、ぞろぞろと何やら行列が。
ここは昭和13年創業「カヤバ珈琲」。数年前に一度閉店していたのですが、
昨年秋に改修の後、復活。
そのリノベーションを手がけたのが建築家の永山祐子さん、ということで
建築好き諸氏が列をなしている、というわけ。
そう、そして私もそのひとり。前から行ってみたいと思いつつ
なかなか谷中まで足を運べていなかったのですが
自宅でぶらぶら、近所でぶらぶらのゴールデンウィーク唯一の遠出(!?)として行ってきました。
建物自体は大正5年築・・・
!!!100年近く経っているわけですね。
その場所が残り、そして凍結保存ではなくて
現在も進行形で使われていることがすごい、です。
そう、この天井こそリノベーションのポイント。
堆積した時間を感じさせるかのように、水底にいるような気分にさせられます。
黒ガラスをはめ込んでいるので、店内が逆さまに映り込み、通りの景色も映り込み
また、天井裏の梁がうっすらと見えるようになっているのです。
椅子や食器も昔のままのものを使っていたり、
空間的にも大きく手を加えたと言うよりは、歴史を存分にとどめているのですが
このガラス天井の効果で、ただのノスタルジーではなく
昔ながらの喫茶店に特有の、あの「ほの暗い」感じが強調されていて
なかなかよかったです。
たまご好きの私はもちろん注文しました。
いわゆるたまごサンド、ではなく
あったかいたまご焼き!がサンドされていて、美味。
からしマヨネーズも効いてました。
外を歩くのが気持ちいい季節、
谷根千散歩のついでにぜひ。
妙にしっくりくる空気に長居してしまい、お店を出るときにはもう日が暮れていました。