編集長日記ーー「フィン・ユール生誕100年」展へ/下田
今日、1月30日は、フィン・ユールの生誕100年にあたります。
それを記念して、28日からリビングデザインセンター OZONEの1F ギャラリーで、
「フィン・ユール展」が開催されています。

フィン・ユールとは・・・
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<フィン・ユール>
1912年コペンハーゲン生まれ。1934年にデンマーク王立芸術アカデミーを卒業。1935年建築家のヴィヘルム・ラオリッツェンの事務所に勤務。1945年独立し事務所を構える。ペリカンチェア(1940年)、ポエト(1941年)、イージーチェア No.45(1945年)、チーフティンチェア(1949年)、アームチェアNo.48(1948年)アームチェアNV-44(1944年)など代表作は、稀少価値が高く、幻の椅子と呼ばれるものもある。
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フィン・ユールの椅子と言えば、北欧のみならず、椅子好きには憧れのものでなのです。

28日のオープニングには、デンマーク大使をはじめ、
本国からも多くの方がいらしていました。

それにしても、生誕100年のイベントをなぜ、日本で?と思われるかもしれません。

実は、今でこそデンマークでも高値がつき、
貴重とされているフィン・ユールの作品ですが、
一時期、工業製品に押され、デンマークでは
忘れられた時期がありました。

そんなとき、フィン・ユール作品の美しさ、価値を見いだしたのが
モダンリビングで「北欧の美しい日用品」を連載してくださっている
北海道東海大学教授の織田憲嗣さんでした。

いわば、織田さんがフィン・ユールを再発見したのです。
最も貴重なフィン・ユール作品の多くを
織田さんがコレクションしているのもそんな理由からです。

今回の展示では、その織田コレクションを
もとにした作品も含む、復刻版が会場に展示されており、
自由に座り体感することができるようになっています。
それが、ONE COLECTION(ワン・コレクション)です。

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フィン・ユール生誕100年記念展
The Universe of Finn Juhl
1/28(土)~2/12(日)
1F ギャラリー1
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<OZONEのHPより>
本展では、既成概念にとらわれない特異な存在としての彼の作品と世界観を建築からプロダクト、インテリアと多岐にわたる業績をとおして紹介します。会場では現在製造されている作品、および今後復刻される作品のプロトタイプ、自身が描いたスケッチや図面(複写)など、貴重な資料とあわせて展示します。また、東海大学芸術工学研究科によるフィン・ユール邸の実測研究を発表するほか、彼の名を世界に広めた、ニューヨーク国連 本部「信託統治理事会会議場」に関する展示も行います。さらに、生誕100年を記念して実施される同会議場の全面改修について、フィン・ユール作品と共に議場を構成する新たな家具デザインを手掛けるデンマークの精鋭 Kasper Salto&Thomas Sigsgaard(※)の作品も紹介します。

展示内容
家具、プロダクト
One collectionの現行品:No.45、チーフチンチェア、ペリカンチェア、100周年記念復刻モデル:No.44、展覧会のためのスペシャルモデル、復刻モデルの試作品、スケッチ(複写)、図面(複写)などの資料、家具のパーツや分解モデルなど。
建築
自邸の1/20スケール模型(木製)、建築図面、実測研究資料、レポートなど。
インテリア
国連本部「信託統治理事会会議場」について、および同ビル2012年改修の資料、Kasper Salto&Thomas Sigsgaard による新しい家具の試作品。

※Kasper Salto&Thomas Sigsgaard
キャスパー・サルト(プロダクトデザイナー)とトーマス・シグスゴー(建築家)は、余計なものを捨て、ありのままの姿をデザインしている。フリッツ・ハンセンなど家具ブランドのデザイナーとしても活躍中。
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<関連イベント>
□ フィン・ユール生誕100年 ~暮らしの中のフィン・ユールプロダクト~
2012年1月12日(木)~3月27日(火) OZONE5階 ノルディックフォルム

□ Finn Juhl 生誕100周年記念展トークショー
2月3日(金) 17:00〜18:30 
 
北欧デザインに詳しい島崎 信さんと、
フィンユールの第一人者、織田憲嗣さんの対談です。
見逃せません!

織田さんは、フィン・ユールの椅子の魅力は
「品格」と「危うさ」だとおっしゃいます。
みなさん、ぜひ、美しいフィン・ユールの椅子を体感してみてください!


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フィン・ユールのアイテムの復刻を日本で行っている、ワンコレクションの
[no.45]の復刻版。オリジナルと比較すると、強度にも配慮し、木部など若干太くなっている。

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レセプションパーティは大盛況。空中に浮遊しているのはチェアのパーツ。

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フィン・ユール邸の模型。木製で非常に美しい。床材のはばまで、正確に縮小されています。左は私、右の二人は模型造りの中心メンバーの東海大学の院生、加藤友貴さん(中央)と友重圭司さん(右)。旭川から遠路はるばるやってきました。

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本国デンマークでも消えかかっていたフィン・ユールの価値を再評価し、80年代に新たにヴィンテージ市場をつくった織田憲嗣さん(右)と、北欧のデザインの魅力を日本で広めるためにさまざまな、活動を精力的に行ってきた島崎 信さん(左)。お二人のトークショーも行われます。※詳しくは上記をチェック!
| by modernliving | 2012-01-30 01:52 | 下田