世界の酒窓から〜禁断の酒・アブサン〜/シモジイ
その昔喫煙者であったジイは、銀座にあるル・コネスールというシガーバーによく葉巻を買いに行ったものでした。
そのル・コネスールが、いつも宿泊するグランドプリンスホテル高輪にお店を出したのは3年前。お気に入りの店が、向こうからやってくるとはラッキー!
常宿であるがゆえ、宿泊するたびに夜な夜な通っていると、バーテンダーの皆様にすっかり地元の人だと思われていました。
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実はこの店、シガーの豊富さもさることながら、かの禁断の酒「アブサン」をきちんと飲ませてくれる数少ないバーであります。




ニガヨモギを原料にする「アブサン」は、その成分の中に幻覚作用を引き起こすツヨンという物質が含まれており、その昔数多くの中毒者を出しました。ジイの崇拝するロートレックやゴッホなんかも、この酒で身体や精神をむしばんだそうです。1800年代末には各地で製造が禁止されはじめ、近年まで禁断の酒とされてきました。
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現在すでに世界的解禁となったアブサンは、国内でも色々な国のものが出まわっています。よく見かける物はフランス産が多いのですが、アブサンはもともとスイスのヴェルトトラヴェルが発祥の地です。
アブサンをしみこませた角砂糖に火をつけて、水で割るという飲み方がよく用いられますが、正式にはちょっと違います。本格的な飲み方には、下の3つのアイテムが必要・・・いや、あれば楽しいです。
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世界の酒窓から〜禁断の酒・アブサン〜/シモジイ_c0195791_1612751.jpg一つはアブサンファウンテン(アブサンの泉)。いわゆる給水器なのですが、
世界の酒窓から〜禁断の酒・アブサン〜/シモジイ_c0195791_1613624.jpgこの蛇口が特徴。説明は後ほど・・
世界の酒窓から〜禁断の酒・アブサン〜/シモジイ_c0195791_1614255.jpgもう一つはマストアイテム、アブサンスプーン。色々な種類があって、コレクションにも最適。見かけは拷問の道具みたいですが・・・
世界の酒窓から〜禁断の酒・アブサン〜/シモジイ_c0195791_1614855.jpg最後に角砂糖、できればアブサン専用の物を。常温のお水でスイスイと解けてゆきます。
世界の酒窓から〜禁断の酒・アブサン〜/シモジイ_c0195791_1615944.jpgさて、アブサンを注いだグラスの上にアブサンスプーンを、その上に角砂糖をおいたらファウンテンの蛇口を静かに開きます。
世界の酒窓から〜禁断の酒・アブサン〜/シモジイ_c0195791_162949.jpg適量のお水がつつ〜っとスプーンの上に、角砂糖がゆっくり溶けてゆきます。この蛇口がミソなんですね〜。
世界の酒窓から〜禁断の酒・アブサン〜/シモジイ_c0195791_1621587.jpgするとあら不思議、いままで透明だったリキュールが、みるみる白濁してゆきます。
角砂糖が溶けきるとできあがり。お好みでキューブアイスを一つ
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お味のほうはさすが最上アルテミジア、よくあるラベルのアブサンとは違い上品なお味です。薬草系のリキュールが苦手という人もこれなら大丈夫。
しかしアルコール度数は72度、飲めば飲むほど・・グリーンの妖精が目の前に・・・な、はずなんですが、幻覚を見るどころか記憶を失ってしまいました。
| by modernliving | 2009-06-23 16:20 | シモジイ