そのル・コネスールが、いつも宿泊するグランドプリンスホテル高輪にお店を出したのは3年前。お気に入りの店が、向こうからやってくるとはラッキー!
常宿であるがゆえ、宿泊するたびに夜な夜な通っていると、バーテンダーの皆様にすっかり地元の人だと思われていました。
ニガヨモギを原料にする「アブサン」は、その成分の中に幻覚作用を引き起こすツヨンという物質が含まれており、その昔数多くの中毒者を出しました。ジイの崇拝するロートレックやゴッホなんかも、この酒で身体や精神をむしばんだそうです。1800年代末には各地で製造が禁止されはじめ、近年まで禁断の酒とされてきました。
アブサンをしみこませた角砂糖に火をつけて、水で割るという飲み方がよく用いられますが、正式にはちょっと違います。本格的な飲み方には、下の3つのアイテムが必要・・・いや、あれば楽しいです。
一つはアブサンファウンテン(アブサンの泉)。いわゆる給水器なのですが、
この蛇口が特徴。説明は後ほど・・
もう一つはマストアイテム、アブサンスプーン。色々な種類があって、コレクションにも最適。見かけは拷問の道具みたいですが・・・
最後に角砂糖、できればアブサン専用の物を。常温のお水でスイスイと解けてゆきます。
さて、アブサンを注いだグラスの上にアブサンスプーンを、その上に角砂糖をおいたらファウンテンの蛇口を静かに開きます。
適量のお水がつつ〜っとスプーンの上に、角砂糖がゆっくり溶けてゆきます。この蛇口がミソなんですね〜。
するとあら不思議、いままで透明だったリキュールが、みるみる白濁してゆきます。
角砂糖が溶けきるとできあがり。お好みでキューブアイスを一つ
しかしアルコール度数は72度、飲めば飲むほど・・グリーンの妖精が目の前に・・・な、はずなんですが、幻覚を見るどころか記憶を失ってしまいました。