坂倉準三の代表作といえば/モモ
 先日、シミリエ先輩と一緒に、「坂倉準三展」のプレビューに伺ってきたわたくし。今日は以前訪れた神奈川県立美術館を振り返ってみたいと思います。日本の名作美術館建築として有名な神奈川県立美術館は、坂倉準三の設計によるもので、今回の展覧会の会場にもなっています。(もうひとつの会場はパナソニック電工汐留ミュージアム→シミリエ先輩のブログ記事
坂倉準三の代表作といえば/モモ_c0195791_2265718.jpg
鎌倉の鶴岡八幡宮の敷地内に建つこの美術館。参道を脇にそれると、蓮が一面に茂る平家池の向こうにモダニズム建築の偉容が見えてきます。この池との関係がこの建築の肝となっています。





坂倉準三の代表作といえば/モモ_c0195791_227134.jpg
池と反対側のファサード。大谷石で仕上げられた1階のピロティ(構造は鉄骨)が、頭でっかちの2階(外壁はアスベストボード)を支えています。真ん中の大階段をあがった2階が展示室。

坂倉準三の代表作といえば/モモ_c0195791_228867.jpg
中央には中庭があり、それを取り囲むように2階の展示室は配置されています。中庭の彫刻はイサム・ノグチのもの。

坂倉準三の代表作といえば/モモ_c0195791_2273338.jpg
展示を見終わって1階に降りてくる動線は、ピロティの平家池に面したスペースに至ります。2階のボリュームが大きく池の上にまで張り出しているので、軒下にいても水との一体感が。

坂倉準三の代表作といえば/モモ_c0195791_228252.jpg池の上に張り出した部分は、水の中に置かれた礎石と鉄骨の柱で支えられています。モダニズムのシャープさと、光の諧調のある日本的な庇の空間が融合して、とっても気持ちいい場所です。

坂倉準三の代表作といえば/モモ_c0195791_2275193.jpg
階段の手すりのラインも何ともいえない、ちょっと懐かしいモダニズムの味わい。ピロティの空間は大谷石の壁で仕切られながらも、全体がつながっています。

坂倉準三の代表作といえば/モモ_c0195791_2284125.jpg深い軒下にいるかのような心地よさ。そりゃ、思わず昼寝もしてしまいますね。天井には水の反射の揺らめきが映ってとてもきれい。

坂倉準三の代表作といえば/モモ_c0195791_229747.jpg
大谷石の壁にはところどころリズミカルに穴が穿たれて、壁の厚みを見せ、光を通しています。こんなディテイルにも、コルビュジェの精神が宿っているんですね。
こちらの会場での「建築家 坂倉準三展」は9/6まで。会期中に、鎌倉散策がてらまた訪れたいものです。
| by modernliving | 2009-07-05 02:20 | モモ