編集長日記ー「ラ フォンタナ マジョーレ」が丸の内に!/ 下田
 最近、立て続けに、「私、ヴァンテーヌ愛読していました!」と言う女性たちにお会いした。多くは30代で、第一線で活躍していらっしゃる素敵な方たちだ。私が「モダンリビング」以前に、「ヴァンテーヌ」を担当していたことを知っての反応だった。
 
 「ヴァンテーヌ」はすでにない。一般的に言えば、20代の女性誌だった。1989年に創刊し、18年間、おしゃれの方程式を解く誌面と実用的なコーディネイトは、多くの人に愛された。

 その「ヴァンテーヌ」の具体的なお手本はミラノ。そして、それを日本で実現できる数少ないセレクトショップが、恵比寿にある「ラ フォンタナ マジョーレ」だ。

 ショップスタッフがその場で、お客に合ったコーディネイトを展開してくれるスタイルは、日本では未だに一般的ではない。いわば、個人のスタイリスト的提案。

 東京は恵比寿だけ(あとは名古屋に1店のみ)だったが、先日、丸の内パークビルに新しいフォンタナのショップがオープンした。ロフトをモダンに仕上げた感じの内装は、清潔感があり、とても健やかな印象。

 ベーシックでありながら、「今」の気分を取り入れた服、適度にカジュアルできちんとしたコーディネイト、さり気なく使いやすい小物・・・と、フォンタナのファッションは、ワードローブの核になるものばかり。私も長年、愛用している。

 イタリア人にとって、ファッションもライフスタイルの一部分なんです、と長年イタリアに暮らすオーナーの新井さん。新井さんがイタリア各地の工場に直接出向き、素材やデザイン、ディテールまで細かく指示してつくるオリジナルの服は、誠実そのもの。

 このデザインがいいからテーブルが欲しい、ではなくて、あの人とこんな風にご飯を食べたいからこのテーブル・・・なんですよね、イタリア人は・・・と、新井さんは、インテリアについても語ってくれた。

 親しい人が集まってのランチのテーブル。いつものテーブルに広げられたのは、洗いざらしの白い麻のテーブルクロス。でもそのクロスは、折り目なくていねいにアイロンが当てられている。その爽やかさ・・・。そんな新井さんのお話から、イタリアのささやかだけれど豊かな暮らしが見えた。

 シッョプのオープニングの日は、あいにく台風の悪天候だったが、「ジェメッリ」の吉田さんのおいしいケータリングと、スタッフのさり気ないおもてなしはどこまでもフォンタナらしい。イタリアのお話と重なって、清々しい気持ちになった。

  
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ディテールはいつも新しく、スタイルは正統。そんなフォンタナ・スタイルには、熱烈なファンが多い。紺色に注目という今年の流れは、ウィンドウ・ディスプレイからも感じとれる。




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フォンタナ丸の内店の店内は、ロフトをモダンにアレンジしたイメージ。レンガを白くペイントした壁、スチールのパイプなど、すっきりとしたテイストミックス。

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この日の料理はイタリアン。ケータリング専門「ジェメッリ」の吉田嘉宏さん(写真)が担当。イタリアで磨いた料理は、てらいがなく素直に美味しい。そして美しい彩り。この日の雰囲気にぴったりだった。形態・予算は要相談だが、目安は、一人5000円〜だそう。
ジェメッリアンドカンパニー TEL 03-3700-9325

ラ フォンタナ マジョーレ

ADDRESS: 東京都千代田区丸の内2丁目6番地1号
TEL: 03-6269-9070
HOURS: 11:00〜20:00

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モダンリビングの連載「見えていないデザイン」が1冊の本になりました。
著:深澤直人 写真:藤井保
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| by modernliving | 2009-09-06 19:20 | 下田