展示してあるということで、小村雪岱(こむらせったい)の展覧会を観に
埼玉県立近代美術館へ行ってきました。

「昭和の春信」といわれた雪岱師匠は、大正から戦前にかけて活躍し、
日本画、装幀と挿絵、歌舞伎の舞台美術に着物のデザインと、今で言ったら
自らイラストも手掛けることもできるアートディレクターといったところでしょうか。
中でも、新聞小説などの挿絵は、資生堂の意匠部に在籍していたこともあって
墨一色ながら、洗練された構図で江戸期の浮世絵にはないおしゃれな感じを
醸し出しています。
会場では、同時期の竹久夢二の挿絵等も展示してあり、
一通り観てまわり外に出ればもう真っ暗。
ちなみに、埼玉県立近代美術館は椅子のコレクションも豊富
実際に座ることも出来ます。

モダンリビングの忘年会に向かうにはいい時間です。
そして今読んでいる小説といえば、これ

「お伝地獄」
昭和九年、読売新聞に雪岱師匠の挿絵で連載された、熱々おでんの罰ゲームでは
なく、明治の初頭に実在し、強盗殺人の罪で斬首された高橋お伝をモデルにした
小説で、当時は内容と挿絵で大人気だったとか。
今読んでも面白く、挿絵も観たことでより臨場感がでるかと思いきや、この季節
本を取るたびに思い浮かんでしまうのは、やっぱりあったかいおでん!
巨匠の挿絵にも勝る冬のおでん、恐るべし。
おでんついでに、先日友だちのT氏とおでん屋で飲んだ後、シメに頼んだ
茶飯のおとうふのせの画像をペタン

小村雪岱に興味のある方は
「小村雪岱とその時代 粋でモダンで繊細で」
2009.12.15〜2010.2.14 埼玉県立近代美術館
おでんに興味のある方は
新橋お多幸