アアルト・ベース(花器)には「サヴォイ」という名前がついている。「サヴォイ」とは,ヘルシンキ市内にあるレストランの名前だ。
その朝,「フィンランディアホール」を案内してくれた市職員の方が,「サヴォイ」を見ることをすすめてくれた。予定には入っていなかったが,同行してくれたイッタラ社のクリスチーヌさんが電話してくれ,急にもかかわらず,快く撮影させてもらった。
公園に面したビルの5階。シックで洗練されたレストランだ。
アアルトが内装を手がけたレストラン「サヴォイ」。各テーブルにはすべて,アアルトのベースに活けた花が飾られている。
サンドカラーのアアルト・ベース。水の量,花のセレクト・・・白いテーブルクロスに映える。
レストランの窓際の席からは,ヘルシンキの市内の美しい景色を見下ろせる。
木を生かした空間は,時間を重ねた落ち着きが漂う。家具も照明もアアルトのデザイン。グリーンの扱い方も、「フィンランディアホール」と重なるものがある。
ごくシンプルなテーブルセッティング。しかし、張りのあるテーブルクロスとナプキンの白が,ラグジュアリー。簡素な美しさがフィンランドの美意識を感じさせる。