編集長日記ー日曜日は美術館へ/下田
取材で初めてイギリスに行ったのは,1991年,ちょうど20年前のこと。
その頃のロンドンの日曜日はとても静かでした。
ハロッズはもちろん,多くの店はお休みか、
やっていても午後からだったのです。

イギリスの人たちに日曜は何をしているのと尋ねたら,
「カントリーサイドに行くか,公園に散歩に行くか、美術館に行く」
と言うのです。
イギリスでは,広く一般の人にアートを解放する、という方針から,
公共の美術館では,常設展の入場は無料です。
そのため、ちょっとだけ美術館に寄ったり,
そのなかのレストランやカフェを利用したり,ということもあります。
生活の中に美術館という存在があるのでした,

海外では,時間を惜しんで美術館に行く私も,
日本に戻るとなかなか行けない,ということが続いていましたが、
最近では、予定のない休日は散歩がてら、
ふらっと美術館に行くことが多くなりました。

東京に住んでいることの長所のひとつは,近いところに
優れた美術館があることだと思うのです。

先週の日曜日は、丸の内の三菱一号館美術館に行ってみました。
<三菱一号館美術館HPより>
「三菱一号館」は、1894(明治27)年、開国間もない日本政府が招聘した英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計された、三菱が東京・丸の内に建設した初めての洋風事務所建築です。全館に19世紀後半の英国で流行したクイーン・アン様式が用いられています。当時は館内に三菱合資会社の銀行部が入っていたほか、階段でつながった三階建ての棟割の物件が事務所として貸し出されていました。この建物は老朽化のために1968(昭和43)年に解体されましたが、40年あまりの時を経て、コンドルの原設計に則って同じ地によみがえりました。
今回の復元に際しては、明治期の設計図や解体時の実測図の精査に加え、各種文献、写真、保存部材などに関する詳細な調査が実施されました。また、階段部の手すりの石材など、保存されていた部材を一部建物内部に再利用したほか、意匠や部材だけではなく、その製造方法や建築技術まで忠実に再現するなど、さまざまな実験的取り組みが行われています。
19世紀末に日本の近代化を象徴した三菱一号館は、2010(平成22)年春、東京・丸の内のアイコン、三菱一号館美術館として生まれ変わりました。

今開催中の展示は,これ。
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「青騎士」とは,カンディンスキーと仲間達が起こした
芸術運動で,彼らは「青騎士グループ」と呼ばれました。
小部屋をつないだ展示を、ゆっくりと見て行くと,
こんなカンディンスキーの絵がありました。
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「印象3(コンサート)」というタイトルの一枚。
具象と抽象の間のような自由さと,踊る色彩に引きつけられました。

私は絵を見る時は,作品はもちろんですが,その背景にある「人」に
興味を覚えます。それを知ると作品がいっそう深くなるのです。
カンディンスキーも、その背景を知り,
まったく違ったものが見えてきました。

この日は,少し込んでいて立ち寄らなかったのですが,
美術館の中にある「カフェ1894」も雰囲気があります。
ここは明治時代,銀行の窓口として使われていた場所だそう。
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日曜日は美術館へ。
静かに違った世界へトリップできる過ごし方です。
| by modernliving | 2011-01-27 02:47 | 下田